【駐在準備】海外赴任前の予防接種のお話

予防接種

シンガポール引っ越し前にやっておかないといけないことの1つが
「予防接種」でした。

注射って嫌ですよね。
新型コロナウイルスのワクチンも
幸いにも副反応がほとんどなかったのですが、
注射はやはり好きではない。
できればあまりやりたくないのが本音でした。

それでも海外の環境はやはり日本とは違う。
感染したら死に至る恐ろしい病気もありますし、
嫌いだからと避けては通れません。

というわけで今回は、
予防注射のお話をしていこうと思います!

ワクチンはどこで打つの?


海外渡航前のワクチン接種は医療機関で取り扱いがあるか事前に確認が必要です。
下記のページで予防接種実施機関を検索することができます。
●予防接種実施機関検索

ちなみに私たちは渡航前まで関西在住でしたが、
JR大阪駅の近くにある【梅田トラベルクリニック】さんに
行きました。
駅チカですし、院内もとても清潔で、
ワクチンの種類についても詳しく説明していただき、
安心して接種を受けることができました。
トラベルクリニックは全国各地にありますので、
お近くのクリニックを探してみてください。
●国内トラベルクリニックリスト

推奨されるワクチンの種類

海外移住の際に推奨されているワクチンの種類は下記のとおりです。
ワクチンの種類
[参照]https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/useful_vaccination.html

私が摂取したワクチンは下記の4種です。

  • A型肝炎
  • B型肝炎
  • 日本脳炎
  • 破傷風

なお、インド出張に行く夫は上記に追加して、狂犬病のワクチンも接種しました。
次項からは感染症について詳しく書いていきます。

A型肝炎

A型肝炎ウイルスによる急性肝炎で、
ウイルスは世界中に広く分布しています。
上下水道が整っていない地域や衛生環境の劣悪な地域で発生が多いです。
日本では感染者数が激減していますが、
毎年数百例の患者が報告されています。
治療薬はなく、感染したら安静にするしかありません。

感染経路

一般的には糞便に汚染された食物や水を接収することで感染します。
それ以外にも、性行為や輸血による感染事例もあります。

症状

食欲不振や全身倦怠感、腹痛、嘔吐、発熱、下痢が見られます。
小児では症状が軽い場合が多いそうですが、
成人では多くの場合、黄疸(眼球の白い部分や全身の皮膚が黄色くなる)などの
症状が出ます。

ワクチン

国産ワクチンであれば、
2回接種(2‐4週間隔)で2年間、3回接種で5‐10年間有効です。

海外ワクチンであれば、
1回接種で1年間、2回接種で15‐20年間有効です。

AB混合ワクチンであれば、
2回接種(4週間隔)で1年間、3回接種で10年間有効です。

B型肝炎

B型肝炎ウイルスによる急性肝炎で、A型肝炎とは異なる感染症です。
発展途上国の患者が非常に多く、
毎年60万人が死亡していると言われています。
原則として急性期には入院が必要で安静加療を行います。
完治が困難な感染症です。

感染経路

新生児の場合は母子感染、
成人の場合は血液、あるいは性行為時に感染します。

症状

無症状から急性肝炎などのさまざまな症状出ますが、
10数年後に肝硬変や肝細胞癌に移行する場合もあります。

ワクチン

原則として、
0、1カ月、6ヵ月の3回接種です。
が、海外出発までに時間的余裕がない成人渡航者の場合には、
計4回の迅速スケジュールで接種が行われています。

※所定の回数を接種しても、
10~20%の人には十分な抗体が得られずに
4回目の接種が必要となる場合があります。

日本脳炎

日本脳炎ウイルスによる感染症で、東アジアや東南アジア、南アジアに広く分布していますが、
日本では北海道を除いて西日本を中心に広く分布しています。
温帯地域では夏季に、熱帯地域では雨季に流行が見られる感染症です。
特異的な治療法はなく、症状に合わせた治療が行われます。

感染経路

コダカアカエイカによる媒介が主です。
豚や水鳥の体内でウイルスが増幅し、
そのウイルスを持った蚊に刺されることで感染します。

症状

突然の発熱で発症し、高熱になることもあります。
頭痛や嘔吐にはじまり、
意識障害や精神異常などの脳炎症状が見られることもあります。
高熱が出た場合や幼児、高齢者の感染は重症化しやすく、
回復しても後遺症が残るかもしれません。

ワクチン

副反応の問題から市町村による予防接種の推奨が控えられていましたが、
平成21年以降は肝細胞培養ワクチンが供給され、
安全性が向上しました。

破傷風

破傷風は傷口に嫌気的に発育をする破傷風菌が産生する神経毒による
急性中毒性疾患です。
破傷風菌自体は世界中の土壌に存在していて、
日本でも毎年100例前後が報告されています。
洗浄や消毒など、受傷時の初期治療が重要です。
発症後は鎮静薬の投与や人工呼吸が必要となる場合もあります。

感染経路

怪我や動物に咬まれた際に、傷口についた土や木くずなどから
破傷風菌が体内にし侵入して感染する他にも、
熱傷や人工妊娠中絶、ピアス、覚せい剤注射などからも感染します。

症状

肩こりや舌のもつれ、顔がゆがむなどで発症し、
開口障害に発展します。
放置すると全身けいれんや呼吸困難を引きおこし、
死に至る可能性があります。

ワクチン

日本では昭和43年生まれ以降の人は、
3種混合ワクチンを接種していますが、
10年以上経過していると免疫が低下している可能性があります。
追加接種を行うことでブーストがかかり、免疫を維持することが可能です。

狂犬病

毎年5万5千人が死亡している感染症で、
狂犬病の発生がない国は日本の他にイギリス、北欧や南半球の一部の国などごく限られています。
動物に咬まれたら、
まず傷口を流水と接見で5分間洗い、直ちに医療機関を受診してください。
複数回のワクチン接種(暴露後接種)で発症を予防することができます。
予防接種が完了している場合でも、
流行国で哺乳動物の唾液が体内に入るような接触があった場合には
2回のワクチン接種が必要です。

感染経路

狂犬病ウイルスを保有する哺乳動物に咬まれたり、引っ掻かれたりして
傷口から感染します。
「狂犬病」という名前ですが、
犬だけではなく全ての哺乳動物が感染源です。

症状

発熱・頭痛・倦怠感・筋肉痛といった症状が最初に現れます。
その後、興奮や不安状態、錯乱・幻覚、よだれを垂らすなどの脳炎症状を起こし、
最終的には昏睡状態からの呼吸困難で死に至ります。
発症すれば100%死に至る、恐ろしい感染症です。

ただし、予防接種を完了していれば
たとえ感染しても暴露後接種により速やかに抗体が上昇します。

ワクチン

3回接種が必要で、
0、7日、28日(急ぐ場合は21日)の間隔で接種を行います。

接種が終わったら・・・

certification
接種が完了したら、接種証明書をもらえます。
【International Certificate of Vaccination or Prophylaxis】
というもので、
国際的に接種履歴を証明してくれるものです。

シンガポールでVISAを申請するときに会社から提出するように言われました。
もらった証明書はパスポートと一緒に大切に保管しましょう。

ワクチン接種は計画的に!

schedule
ワクチンの種類によっては
複数回の接種が必要な場合があります。
引っ越し準備や会社の引継ぎ作業などなど、
やらなければならないことはたくさんあるでしょうから、
計画的にスケジュールしてください。

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